身体は、一番効率よく、しなやかで、楽な動きを知っている。
歩くときに「どう手足を動かすか」なんて考えないし、ボールを投げれば、自然に足が踏み出し、ボールを蹴れば、手や上半身が勝手に動いてバランスをとる。
動くということは、何か1つが動くのではありません。筋肉、骨、神経や伝達物質など、多くの関わり、ひとつのつながりとして動きが成り立つ。それは、進化の過程で育まれたもの。人類の祖先が直立してから現在に至る間、長〜い時間をかけてにつくり上げた身体の理屈で身体は動く。
こうしなきゃいけない、こうした方がいい、こうすると体にいい、世の中に溢れた情報は、それが正しいものであっても、人類本来の動きができた上で、初めて役に立つもの。
基本は、身体に任せること、身体のじゃまをしないこと。脳みそが貯めた数十年分の知識では、身体に集積された進化には太刀打ちできない。
私がそう気づいたのは、呼吸•整体スクールで『動的瞑想』というワークを体験したとき。自分の身体の欲求を感じて動く、身体通りに動くワークです。それまでは、うまく動くには、考えることが大切だと思っていたし、身体は頭の指令で動くものと勘違いしてました。
ワークをして「何してんだ、私」と、痛烈に思いました。膝を伸ばし切って、曲がらない。なぜか胸を張っていて息が吸えない。骨盤だって固まって、、、。自分で自分をがんじがらめてる。身体の仕組みを邪魔しまくっている私。先回りして動かしてしまう私。残念極まりない。
『動的瞑想』で自然なコーディネーションを身体が思い出すと動きも呼吸もずっと楽になる。
先日ワークをした生徒さんが、こんなに楽に動けること、と、自分の力の入りっぷりの両方に大そう驚いていました。なかなか気づく機会がない
動物として持っている仕組みは使えばいい。鍛えるのではなく、既にあるから、思い出せばいい。
身体に任せると楽に動ける。
楽な動きは、身体に聞いて、身体に教えてもらいます。