「横隔膜の解放」とは

家具を移動させようと全力で押すとき、庭仕事で重い土を運ぶとき、自然と使っている場所が横隔膜と横隔膜が付いている背骨あたりです。つまり全身を使って動くときに働くところ。ここが使えなくなると、同じ作業でも腕だけや脚だけになって腰を痛めてしまう、身体の要でもあります。

横隔膜は付いている背骨ごと解放します。詰まらせちゃダメです。私は自分の反り腰を見かけのだけのことで機能的に不具合があるとは思っていませんでしたが、大問題でした。呼吸が止まりやすくなり、ギックリ腰の原因にもなっていました。上半身と下半身が分断されると過剰な負担が腰にかかります。「横隔膜の解放」という身体調整は詰まった腰を広げ、トンネルを開通させるようなもの。肩や股関節の力みも取れました。

肋骨の下にくっついる横隔膜は、呼吸に大きく関与するだけではなく、姿勢を安定させているインナーマッスルです。上半身と下半身の動きはこの部分でつながります。ピッチャーの投球やサッカー選手がボールを蹴るときに手と足が動くのは双方の力がここで通じているから。腕だけで投げると怪我しちゃう。

他にも、声の落ち着き、緊張のしやすさにも関わるから驚きます。これからみんなの前で喋らなきゃという前でも、横隔膜を解放させると、声が上擦ったりしないのです。

私にとって「横隔膜の解放」は自分という建物を安定させる調整法です。毎日のルーティーンの調整法の一つで、私の身体と心を支えています。全身を使う前提になる箇所なので、ライフワークのスキーにも効いてくる重要な身体調整です。ここが開いていれば腰を傷めることはないのです。

*横隔膜の解放とは

身体を構成する重要箇所である脊椎・脇・横隔膜の横隔膜を調整する方法。横隔膜の詰まりは力みの原因となり、ここを解放する意味はとても大きい。下部胸椎を捻る動きと呼吸を使って、固まった横隔膜と付着している脊椎を広げる。呼吸が深まり、背中の下部が広がり、重心が下がる。身体の安定感が増し、緊張を減じ、精神的な落ち着きにも寄与する。

〈 Ayus 呼吸の教室 〉

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