背中を広げる「基本呼吸法」とは

自分の背中を丸くできないことに気づいたときのガッカリは結構なものでした。小学生の頃にゴロンゴロンとマットででんぐり返ししていた私はどこへ?鉄棒だって膝を抱えてクルクル100回くらい回っていたのに。だるまっっていう名前の技でした。半世紀ほど経って固まってしまい、真っ直ぐはできても丸められないという、不自由な背中になっていました。

姿勢を良くしなきゃ、まっすぐにしなければ、とピンとしていたからです。多分ヨガのインストラクターになってから特に。背中はガチガチ。背中は真っ直ぐがいいと思い込んでいるのは、私だけではありません。教室の生徒さんのほとんどが、小学校のときに先生にそう言われたから、と何十年も頑なに言いつけを守っています。その結果、背骨や肋骨の動きが失われ、背中の丸みや広がりがなくなってしまう。

でも、基本呼吸法をするとまっすぐで板のような背中が丸くなる。beforeとafterが明らかに違うからわかります。マットでゴロンといってゴロンと戻ってこられるようになります。丸くなれると、背中にも息が入って呼吸がラクになる。体の裏も大事。身体には表側も裏側も両方あるということを身体で思い出します。

私にとって「基本呼吸法」は、固っている裏側を緩めて広がりを取り戻す身体の大工事をしてくれた調整法でした。そうして初めて全身が自由になり、身体全体を使って呼吸ができるようになるのです。

*基本呼吸法とは

身体の前側(お腹側)に手をセットするポーズをとって呼吸をすることで背中を広げる呼吸法。肩甲骨あたり、背中上〜中部、胃の裏側、腰から仙骨にかけて、対応する箇所ごとにポーズは異なるが、どれも呼吸を使って身体の内側から広げるということは共通する。背中が広がることで下腹部や呼吸が正常化する。背中は自覚がないだけでほぼ全員固まっているから、呼吸に悩む人みんなに必須(と私が思う)な身体調整法。

〈 Ayus 呼吸の教室 〉

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