呼吸・整体の3つのワークとは

身体に任せて身体に従うと、もともとの身体通りの自分が現れます。

息を吸いたいという声に従うワーク「深呼吸の衝動」

息が出た、息が入ったという様子を自分で認識しながら動くワーク「自然呼吸の回復」

動き出しに連なって自動的に起こってくる動きに従うワーク「動的瞑想」

身体、動きと呼吸を感じ続ける3つのワーク。私が学ぶ呼吸・整体では根幹とされています。

普段は気にも留めない呼吸と身体に意識を向けて動いていくと、本来こうだ、というところに収まっていきます。息は落ち着き、身体は安定して心は静まり、頭にこびりついていた事にも囚われなくなります。心身が調うとはこういうこと。ワークの後も続く、この感覚こそがメイン。何回も実践すれば、ととのった状態も増えてくる。それが常になった日常はどうなるのでしょう。

私の例で言うと、深呼吸の衝動のワークをすると、息はスーッと通り、どんどん落ち着きます。正座で数回前屈するだけで肩や背中は脱力し(自然呼吸の回復)、動的瞑想では没頭して動くうちに滑らかに動けるようになり、かつ体の安定感が増します。ワークの後は、感性が繊細になり、根拠のない安心感があって、ふわっとした身体各部の緩みがあり、全て過不足なくいられる感じ。この感覚のままでできることが、本来の自分ができることです。

ワークはどれも単純な動きなので、動き方、顎の位置、頭の重みの扱い、手の角度など、膝の向きなどちょっとした違いで、息が止まったり、止まらなかったりすることがよくわかります。何回もやって息が止まらない動きが自分の体にインプットされると、格段に疲れなくなりました。自分の息や身体が常に共にあるのは当たり前の事実だけれど忘れていること。それがいつも自覚できるようになると、自分の中に呼吸という基準ができます。

以前はなんでもやり過ぎて、家族のイベントや仕事でひと山終わると、倒れ込むようにまるまる1日休んでから復活するという有り様でした。ないがしろにされていた体。今は山も谷もありません。身体が無理をしない範囲、つまり息が止まらない範囲で動きます。始発電車で東京に行って夜遅くに帰る日も、オンラインで朝の6時から講師をする日も、家でレッスンする日も、いつも同じトーンで淡々と過ぎていきます。無理はしないけれどもできることは増えています。

動じなくもなりました。隣人の電動枝刈りの音で猫たちがパニックになり暴れて家の中を走り回った挙句に屋根から落ちたことがありました。猫2匹を確保して、怪我した娘は病院に行かせ、隣人に一声かけてもらうようお願いをして、汚れまくった家中の掃除を淡々としていたことに、逆に驚いてしまったくらいです。

ワークを実践して心身がととのう体験の一つ一つが、確実に私の生きる土台を強くしてくれています。表面的に整えるのとは違います。ととのうのは根っこのところです。感性が高まり心身が調えば、日々何かしら喜ばしいことがあるものです。今日は、庭のクリスマスローズが咲いたことが嬉しくて。20年以上も前から毎年この時期に花を見せてくれています。

誰にとっても、本来の自分を知ることといつもその自分でいることは大事なこと。3つのワークは本当の自分を育ててくれます。

 

*呼吸・整体の3大ワーク

「深呼吸の衝動」「自然呼吸の回復」「動的瞑想」の3つのワーク。

身体に任せて身体に従った結果、心身が調和した状態になるワーク。再現性も極めて高い。どんな人でも実践すると、身体の精緻さと素晴らしさがわかる。呼吸が呼吸だけで語られるものではなく、動きと表裏一体であることも体感できる。全人類におすすめのワーク。

〈 Ayus 呼吸の教室 〉

愛知県日進市栄3丁目2214

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